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機能性ディスペプシア
胃の病気
機能性ディスペプシアとは
機能性ディスペプシアとは、内視鏡で胃の中を確認しても異常が見つからないにもかかわらず、胃もたれや、胃痛、腹部膨満感などの症状が続いている状態です。
ディスペプシアとは医学用語で、胃もたれや胃痛等の腹部の不快な症状のことを指します。
日本人の10人に1人は機能性ディスペプシアであるという調査結果があるほど、ありふれた病気です。
内視鏡検査が普及する前は、精神的なものから痛みや不快感が現われているとされ、「ストレス性胃炎」や「神経性胃炎」等と診断されていました。
原因
ストレスや暴飲暴食、不規則な生活、過度な飲酒や喫煙習慣によって、胃の機能が低下したり、胃の機能に異常が生じて症状が引き起こされると考えられます。
1.ストレスによる胃酸過多
胃酸の調整は自律神経によって調整されますが、ストレスや不安、疲労によって自律神経が乱れ、胃酸が過剰に分泌されます。
胃酸分泌機能の乱れによって、胃痛や胃もたれなどの症状を引き起こします。
2.食生活
食事の中で脂質を摂りすぎたり、コーヒーやアルコール・タバコ等の嗜好品の過剰摂取が、機能性ディスペプシアの症状を引き起こしやすくします。
3.胃の運動障害
口から入った食べ物を消化管に運ぶ蠕動運動の動きが弱まると、食べ物の流れが停滞し、早期膨満感や胃もたれなどの症状を引き起こします。
4.胃・十二指腸の知覚過敏
食道や胃の粘膜が敏感になると、少しの刺激で症状が出やすくなります。
5.感染性胃腸炎の経験がある人
サルモネラ菌等の感染性胃腸炎にかかった人は、機能性ディスペプシアになりやすいとされています。
症状
- 食後の胃もたれ
- 食後の膨満感
- 胸やけ
- 吐き気
- げっぷ
- 早期膨満感
- みぞおち付近の痛み
- 胃痛
検査
問診により、食事と胃の不快感の関係や症状がいつごろから出ているのかを確認します。
その後、内視鏡検査により胃潰瘍や胃がん、十二指腸潰瘍等の病気の可能性を除外します。
必要に応じて、ピロリ菌の検査や血液検査等も実施します。
治療
生活習慣や食生活の改善、または胃酸の分泌を抑える薬や漢方薬等を用いて治療していきます。
機能性ディスペプシアは自律神経の乱れによって症状を誘発する場合が多くある為、日頃から十分な睡眠や休息を取ること、栄養バランスの良い食事、適度な運動、ストレス発散等を意識して生活することで、症状を予防したり、改善することができます。