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十二指腸潰瘍
胃の病気
十二指腸潰瘍とは
十二指腸は小腸と胃の繋がる部分にある、消化管の一つです。
胃の奥にある部位のため、十二指腸に潰瘍ができた場合には、内視鏡カメラで少し奥まで観察する必要があります。
胃壁に比べ、十二指腸の壁は薄い為に潰瘍が進行しやすく、出血や穿孔(組織が破れ内容物が漏出する)を起こしやすい傾向があります。空腹時に腹痛がみられたり、吐血や下血(血便・黒色便)を引き起こします。
原因
胃酸により十二指腸の粘膜がただれて潰瘍ができます。
(傷が浅いものを「びらん」、傷が深いと「潰瘍」となります。)
1.飲酒 喫煙
アルコールの過剰摂取や強いアルコールは胃や十二指腸の粘膜を傷つけます。
たばこのニコチンは胃液の分泌を促して、胃壁を荒したり、十二指腸まで流れて十二指腸の薄い壁を壊してしまいます。
2.薬物摂取
NSAIDSと言われる非ステロイド系抗炎症薬は粘膜を刺激します。解熱や鎮痛、炎症を抑えることに使われる薬ですが、長期で服用する必要のあるひとは消化性潰瘍に対してリスクとなります。
3.ピロリ菌
ピロリ菌に感染すると、胃や十二指腸の壁を傷つけ、粘液を減らし酸の攻撃を受けやすくする為、胃炎や胃・十二指腸潰瘍を発症する要因になります。
ピロリ菌が十二指腸の壁に取り付くと、細胞を弱らせてしまう毒素を出し始めます。すると、菌を排除しようとして血液中の白血球やリンパ球が付近に集まります。
両者の戦いが激しくなると、胃や十二指腸の粘膜が深くえぐられて消化性潰瘍になると考えられます。
症状
- みぞおちの痛み(特に空腹時)
- 胃もたれ
- 吐き気
- 嘔吐
- 食欲不振
- 胸やけ
- 血便
- 黒色便
検査
内視鏡検査で傷の深さや進行度を確認します。また、ピロリ菌が疑われる場合にはピロリ菌感染の検査も行います。
内視鏡検査には鼻から内視鏡を挿入する経鼻内視鏡と、口から内視鏡を挿入する経口内視鏡の2つのタイプがありますが、当クリニックではどちらにも対応しています。
また、反射の強い方にはご希望により鎮静剤を使用致します。
治療
薬物療法で治療を進めていきます。胃酸の分泌を抑えたり、胃や十二指腸の防御機能を高める薬が用いられます。
十二指腸潰瘍が治癒しても、ストレスがかかる生活は改めなければ、再発の恐れがあります。
決められた期間きちんと薬を服用し、生活習慣や食生活を見直し、改善することが何より大切です。