病名から探す
胃がん
胃の病気
胃がんとは
かつて日本人のがん患者の中では「胃がん」が圧倒的に多く、死亡率の割合は1位でした。
現在、胃がんでの死亡率は減少傾向にあるものの、医療が発達した日本でも未だ毎年5万人もの人が胃がんにより死亡しています。
もともと胃がんはストレスや喫煙、食生活が大きく関係していると思われてきましたが、実はヘリコバクター・ピロリという強い胃酸の環境下にも生息できる菌が原因であることが分かりました。
ピロリ菌は1983年にオーストラリアの博士により発見され、現在に至るまで様々な研究がなされました。
これらの研究によって、ピロリ菌は胃炎や胃十二指腸潰瘍、そして胃がんとの関係性が深いことが明らかにされました。
胃がんは初期症状がなく、進行している場合でも症状がほとんどないこともありますが、早期に発見できればほぼ完治が見込める病でもあります。
原因
慢性胃炎等で長期にわたり胃の中の環境が悪化すると、胃の粘膜は徐々にダメージを受け、萎縮性胃炎という状態になります。
またピロリ菌の保菌により、胃がんのリスクは高まります。
昔の日本人は幼少期に野山の水や井戸水からピロリ菌に感染し、胃炎や胃十二指腸潰瘍などを繰り返し、将来胃がんになる人も多く見られました。
現代の日本では上下水道設備が整っており、衛生環境も整備されているため、普段の生活からピロリ菌に感染することはほぼないですが、衛生環境が整っていない発展途上国では依然、若年層での感染が多く見られます。
その他、胃の中の環境悪化の原因には、塩分の多い食生活や過度な飲酒、喫煙、ストレス、過労があげられます。
症状
- みぞおちの痛み
- 吐き気
- 嘔吐
- 胸のむかつき
- 貧血
- 食欲低下
- 倦怠感
- 黒い便
検査
病変の有無や場所を確認するために内視鏡検査をします。そして、がんが疑われる部分の組織を採取して病理検査を行います。
胃内視鏡には鼻から内視鏡を挿入する経鼻内視鏡と、口から内視鏡を挿入する経口内視鏡の2つのタイプがありますが、当クリニックではどちらにも対応しています。
また、反射の強い方にはご希望により鎮静剤を使用致します。
治療
早期がんか進行がんであるかによって治療方法が異なります。
早期がんでリンパ節などの転移の可能性が低い場合には、内視鏡で切除します。
他の臓器に転移がみられたり、転移しているリスクが高いと判断された場合には、外科手術や抗がん剤による化学療法を行います。